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2009.11.07

あたりまえのこと

朝日新聞の夕刊に掲載されてる「ニッポン人脈記」で、
『排泄と尊厳』というテーマでのシリーズ。

昨日、最後のシリーズ第⑨回目が掲載され、
そのなかでちょっと頭に残った文章。

「生きる証し 耳傾けよう」

『生活とリハビリ研究所』代表の三好春樹氏は介護職への講演で全国を飛び回っておられます。

中略

「ウンコ・シッコを人間観の基本に置く」それが介護現場で長年培ってきた三好の考え方だ。「お年寄りとの一番大事なコミュニケーションは、便意や尿意という、体の中の自然からの声に耳を傾けて反応することなんだ」

「介護福祉の先進国である北欧ではなく、インドへ行こう!」三好はいま、介護職に就く人たちにそう訴えている。「上ばかり見ても幸せじゃない。だから下にもぐろうよ」
インドを最初に訪れたのは07年1月だった。
早朝、ガンジス川の沐
浴を見に行った三好は、何千軒もの掘っ立て小屋と無数の人間の群れの真っ只中に入ったとき、怖くなった。路上生活者、物乞いする身体障害者、便とあかで悪臭を放つ子ども、線路に向かって排便する大人。生も死も、すべてがあからさまだ。
「ここでは『人間らしく』なんて言葉は通用しない。これも人間、あれも人間だ」
旅行中に一冊の新書を読んだ。作家堀田善衛の「インドで考えたたこと」だ。「アジアは、生きたい、生きたい、と叫んでいるのだ。西欧は死にたくない、死にたくない、と云っている」と堀田は書いた。
三好はいう。
「日本は『生きる』のが当たり前になって、今度は『死にたくない』とテレビの健康情報番組を見ては食べ物を買い占めたりしてる。でも、人間は食べて出すシンプルな存在なのだとインドは教えてくれる」
-生きることは排泄すること-
だからこそ私たちは「生きる証し」の排泄から目を背けるのでなく「人間の究極の尊厳」ととらえ、みんなでもっとふつうに語りたい。すべてはそこから始まるのだから。

『生活とリハビリ研究所』

自分たちは「生きたい」ではなく、「死にたくない」と思っているところがあるという指摘、ほんとその通りです。同じ意味にもとれますが、なんだかやはり本来とは違う自然ではない歪みを感じます。

リフレクソロジーを仕事にするようになり、高齢者や病を抱えておられる方々と接する機会が増え、老人ホームに出張施術に行ったときなどは健常者と違い、排泄の問題と関わるようなことに直面することもあります。
そしてそのことだけからではありませんが、終末期医療や死生観などについてもいろいろと考えることが多くなりました。
でも、どこか理想の追求をするばかりで形に捕らわれてしまい、本来の大切なことを見失っていた気がします。
「人間らしく」というものはもっとシンプルなものなのかもしれません。

これからの高齢化社会で介護の問題、そのなかで人間の尊厳をいかに低下させないかというのは重要な課題であり、QOLの向上というなかで排泄の問題は避けて通れないこと。
まだ親の介護など経験したことはありませんが、いずれはそういう時期もくることでしょう。そのときに、介護する側もされる側もあたりまえのことをあたりまえとして受け入れ、目を背けたり格好つけるのではなく、自然のことを自然のまま受け入れ、最後まで人間の尊厳を保ったままでいきたいものです。

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コメント

病院と施設の大きな違いは、
職員がいつも元気であることと、
入所者に笑顔があること。

これは、自分としては何にも替え難い
幸せな事なんだけど、ひとつだけ気になる事が。。。

面会者を、ほとんど見ないという事。

H1N1関係で、面会制限をかけている為かもしれないけど、
病院にくらべて非常に少ないのが現実です。

このFLU騒動が終わっても、
まだ今のような状態であれば、
入所者は寂しいだろうなぁ、と感じています。

>まぁさん

よい施設長さんが着任されて入所者さんも職員さんたちも喜んでおいででしょう。
病院の職員さんたちも施設職員さんたちのように
いつも元気であってほしいですね(笑)

面会にくる家族もチラッと見るだけで帰ってしまう。
「アリバイ面会」って言うらしいですね。
自分たちの生活や時間が惜しいのはわかるけど、
いずれ自分たちも同じようになるんですから、
一番身近な存在の家族の方が人生の最期を迎える方の
スピリチュアルケアをしっかりとおこなってほしいですね。

その記事読んだ。
これからの日本社会は老人を少ない若い者で支えていくのにどうするんかなあ・・。友達にも親の介護が始まってる子いてるし、だんだん近づいてきた感じがする。

>づっきゃんさん

もうなんか先のことは考えたくないって感じ。
老々介護が当たり前のようになってる時代で、
自分たちの老後なんて悲惨なんやろね~。

年金もはたしてもらえるのやら・・・

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