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2010.01.27

達者でポックリ

一昨日クライアントさんがお亡くなりになった。

突然の訃報に少し驚いています。

今まで何人かはお亡くなりになっているが、
ずっと継続してリフレクソロジーを受けられ
懇意にしていたクライアントのなかでは初めてのこと。


2008年の9月から通いだした老人ホームの方で、
1ヶ月に2回のペースで定期的に続けておられた。

当初お持ちだった慢性の腰痛も解消されて、
「長く歩けるようになったわ~」と喜んでおられた。
また心臓疾患があり投薬もされていたが、
それも最終選択薬と表記のある強い薬から
比較的軽いものに変更されたとお聞きしました。

いつも明るくとても気遣いをしてくださる方で、
クラシックのコンサートに行ってきた話や
能や狂言、お寺や仏像などの話、
昔に山登りをしていたことなども話してくださいました。

もうすぐ80歳になろうかという高齢だが、
眼科医でもある彼女は週に一度医院に行き、
書類に目を通したり、たまに診察もおこなっていた。
「あたし管理医になってるから仕方ないのよ~」
とおっしゃっていたが、この仕事があることが
彼女にとっては張りとなっていたのだろう。

2009年7月末、
そんな彼女が左肩の痛みを訴え出した。
「五十肩かなんだかわからないけど腕が上がらないのよ」
と、腕を動かすたびに激痛が走るよう。
そして頸部のリンパ節も腫れてきているようだった。
心臓の定期検査をしている病院に行って訴えたが
原因は整形外科的なものとそのときは判断されたよう。

リフレクソロジー施術を受けると、腕があがるわけではないが、
「あー楽になった」と幾分か肩の痛みが和らぐようだった。

そして近くにある施設と提携してる病院にも
週に2回ペースでリハビリに通っておられた。
「リハビリに行くと痛いことされるのよ~」
とよくその辛さをこぼしておいでだった。

肩の痛みの症状もだんだんと沈静化し、
頸部の腫れも最初だけでおさまっていた。

そして11月、
左肩の痛みはマシになっていたのだが、
左の頸部にまたシコリのようなものができた。
心臓ペースメーカーを入れてるために
MRIでの検査ができないのだが、
おそらく良性だろうと病院での見解だった。

12月11日に最後の施術をしたときはお元気だった。

次回の12月25日は勤め先の医院に出勤予定となっており、
キャンセルされたのでもうそれ以後お会いすることはなかった。




昨日、弔問にお伺いしたときのお話によれば、

12月31日に頸部の腫れがひどくなり声が出なくなった。
これはただ事ではないと施設の方が判断し、
心臓でかかっていた病院に1月1日に緊急入院。

腫瘍は悪性だった。

脳の近くにあったその腫瘍が神経を圧迫し、
左肩の痛みはそのサインだったよう。

痛みが出ている時点でリハビリだけに頼らず、
ちゃんと精密検査をしていれば。。。

そして月に2回も足を触っていた自分、
この変化に気付くことはできなかったのか。。。

などと悔やまれる。


が、幸いにも腫瘍は脳への浸潤はしておらず、
膜1枚程度のギリギリのところで止まっていたため、
最後まで意識はハッキリとしていたらしい。
脊髄転移もなく、がん特有の痛みはなかったとのこと。

考えようによっては、
苦しむ期間が少なかったというのは
ある意味幸せなことなのかもしれない。

年末にはまだ仕事に行けるくらいお元気があり、
入院してからの25日間も、声が出なかったり、
体が痺れたりなどの不自由さ、辛さがあったにせよ、
親戚家族とお別れするに充分な時間があり、
亡くなる直前まで意識がしっかりとしておられて、
最期は眠るようにお亡くなりになられた。

『達者でポックリ』
という言葉が彼女にはピッタリかもしれない。

尊厳を保ったまま、そして家族に見守られながら
静かに逝かれた彼女を羨ましくさえ思います。

寝たきりになり、人から介護を受けるのは、
たとえ長生きしたとしても辛いことです。
また足腰が丈夫でいれたとしても、
認知症で何もわからなくなっては仕方ありません。

年をとってまわりに迷惑をかけまいと、
体も元気で頭もしっかりしてるうちに
自ら老人ホームへの入所を選択されました。

愛嬌のある人柄はまわりの誰からも愛され、
周囲への気遣いもさりげなくしておられたのだろう。

そんな彼女だからこそ天から与えられた
穏やかな終末期だったのかもしれません。
まさに天寿を全うされたのでしょう。

「生涯現役」で本当によく頑張られました。

どうか安らかにお眠りください。

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コメント

身近な方の死って、色々考えさせられるものがありますね。
先日、淀川キリスト病院のホスピス病棟を作られた柏木哲夫先生の「ターミナルケア」のお話を聞く機会がありました。
「人は生きてきたように死んでいく」らしいです。
キュプラーロスの「死の瞬間」読んでみたいと思ってます。
ご冥福を、心からお祈りします。

どうか絶対に御自分を責められないよう。。。

もうね、そこを気にしてしまうと、
この稼業は出来ないのさ。

あの時こうしていれば・・・とか
あのクスリにしておけば・・・と思うことは
どうしてもある。

だが、その時点では最善の方法だったはず。
結果から省みて後悔したら、先に進めないもん。

今も目の前に、困っている人が
たくさん待って居らっしゃるんだから。。。

お互いにね♪

>いちこさん

「死の瞬間」は僕も読みました。
もうかなり以前に書かれた本ですが、
現在の終末期医療に大きな影響を与えましたね。

生きてきたように死んでいく。
このクライアントさんはまわりに笑顔と幸せを与えてこられ、
そして自分が亡くなるときは苦しみから解放され、
穏やかな死を迎えることができたのかもしれませんね。

そして「死」は肉体の終わりであって、
その人の全てが終わるわけではなく、
魂はまた別のところに行くのだと考えると
「死」の受け止め方もまた変わってくるのかもしれません。

>まぁさん

そう言ってもらえると救われます。

訃報を聞いたときは「なんで!?」と思いましたが、
弔問に行き、ご家族と話してからは気分が楽になりました。
僕のこともよく話されていたようです。

もうお会いできないのは寂しいけれど、
長く辛い苦しみを与えられることなく、
とても幸福な死ではなかったかと感じています。

まぁさんの場合は直接的に関わりますから
そのストレスは相当なものでしょう。
僕の比じゃないよね。
本当にごくろうさまです。

おっしゃるとおりしっかり前を向いていきます!

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