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2011.01.17

認知症とリフレクソロジー 1

昨日はリフレ学院での講習会がありました。
テーマは「認知症とリフレクソロジー」

資格の更新時期が迫っており、必要な取得単位数の足りない人が駆け込みで受講されたりということもあってか多くの方の参加がみられました。

高齢化社会となった現代の日本において、老いに伴う体の衰えと同じように脳の老化による疾患も年々増加しており、高齢者に起きる様々な症状への対応は避けては通れません。
今回の受講者は高齢者施設関係の方も多くおられましたが、身近の方に認知症患者がおり、その対応に追われているという現実に直面されている方の参加も多かったようです。

僕自身、高齢者施設での出張リフレクソロジーの施術や、またサロンにおいても軽度の認知症と診断されている方が何人かおられるので、この問題の重要性を認識しています。

最近は認知症についてテレビでも疾患啓発のCMを見かけますが、認知症は病気であり、早期発見・早期治療が大切であると同時に、周囲の理解と支えが必要であるということ。

しかしながら残念なことに根治は期待できない病でもあります。

そして、手足が不自由であるなどの障害であるならば、外から見ただけでもある程度は認識できますが、認知症は見た目や一時的な関わりからはその判断が難しく、また本人に病の認識がないという場合がほとんどです。
ともすれば周囲に無用な気や労力を遣わせ大変に疲労させてしまったり、また不快な思いをさせてしまうことさえあります。

「人間の一番人間らしい部分が病に侵されてしまう」
という意味では、とても怖い病なのかもしれません。

そしてリフレクソロジーとの関わり。

講義の中では自発的な運動も発語もおこなえず、手足の関節も拘縮してしまった施設の高齢者に対して、手や足へのアロママッサージをおこなっているビデオが紹介されていましたが、
表情もなく、ただ横になっているだけだったクライアントの高齢者の方が気持ち良さげな表情をしてみたり、動かせなかった腕を持ち上げたり、言葉にはならずとも気持ちよさを表現する声を出したりと、その施設の職員さんも驚くような反応を示していました。

明らかにセラピストの施術に対して肯定的な反応を見せていた姿には、まるで枯れかかっていた花に水を与えて蘇っていくような状景が浮かんできました。

このビデオでの施術結果のようにリフレクソロジーでも同じような良好な施術結果が確認できるはずです。
実際に僕のクライアントさんにも同じような状態の方がおられますが、とても良い結果が確認されています。

たとえどのような状態になろうとも、人は最後まで「尊厳」を持って生きる権利があります。
しかし認知症を発症してしまうと、その「尊厳」を自らが維持することが困難になってしまいます。

講義のなかであった「パーソン・センタード・ケア」は、認知症をもつ人を一人の“人”として尊重し、その人の視点や立場に立って理解し、ケアを行おうとする認知症ケアの考え方です。
一人の人として無条件に尊重されることを中心として、共にあること、くつろぎ、自分らしさ、結びつき、たずさわりなどです。

また、ある研究結果では、認知機能障害に伴い、判断能力、言語力の低下によってコミュニケーションが充分に出来なくなる等の心理社会的要因、また神経伝達物質であるアセチルコリンやセロトニンの減少から、精神の緊張状態となり交感神経優位の自律神経障害を引き起こす症状をリフレクソロジーで軽減できないかとの研究がおこなわれたようです。
結果は施術前よりも施術中、施術後においての心拍数の低下や機能障害レベル低下などの副交感神経優位のリラックス状態が得られたことが確認されています。

当然のことながら、リフレクソロジー施術で認知症が治るということではありません。

しかし、リフレクソロジーをおこなうことで一時的ではあっても症状を軽減させることがあり、これは僕自身の施術経験からも確認できています。
ここには、リフレクソロジーの反射区への刺激による何らかの効果とともに、ヒューマンタッチによるリフレクソロジストとクライアントの一体感なども好転に影響を与えていると考えられます。

病というものは治すことに全ての意味があるわけではありません。
人はいずれは誰しもが死を迎えるということを受け入れて、その過程においての人生の価値や意味というものを大切にしていかねばなりません。

認知症患者に人間らしさ、その人らしさというものが、たとえわずかであっても取り戻すことができ、QOLの向上に繋がるのであれば、リフレクソロジー施術は価値あるもので、現代の高齢化社会で重要な役割を担うことができるでしょう。

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コメント

資格更新・・・

悩みました。
いいのか悪いのかわからないけど
更新するの止めました。

必要となれば、また考えることにしました。

同じく悩みました。
結果、今年で専門医の更新を辞める事にしました。
ここでは必要の無い資格だし、
失効しても免状はあることだし、
なんだか学会へのお布施と化してるから。

尊厳死については、いま岐路に立ってます。
長として判断を下すべき重要な時です。
この話は、書くと一晩かかるので、いつか会った時に♪

>Kidoさん

直営サロンに勤務する場合は必須ですが、個人サロン経営では特に必要なものではありませんからね。
僕はIFRもあるので、実際のところはどちらでもいいんですが、学院には普段からなみなみならぬお世話になっていますから。
更新しないなんて言うとバチが当たりそう!

>まぁさん

脳神経外科の専門医認定がどれほどの労力がかかるものかはわかりませんが、たぶん比べものにならんでしょ。
もったいない。。。
でも今の職場がどうも天職のようでもあるし、ある意味で「肩の荷が軽くなる」って気持ちになるのかもしれませんね。

尊厳死については自分もコロコロと変わっていきます。
どちらが「自然死」に近いのか。など…
普段から多くの方の終末期に接し、たくさんの方を看取られてるまぁさんはまた全然違うレベルでお考えなんでしょうけどね。

まぁさんは正しい判断を下される方だと思っています。
自分を信じてください。

医師国家試験対策が、だいたい本棚1段で、
専門医対策は、本棚1台っすねw

試験対策として二ヶ月の休みをもらえるんだけど、
1日19時間勉強したよ。

だからメスを置いて12年間もの間、
ずっと継続して来たんだけど、
年会費3万と、クレジット確保に3万に、
学会出張10万。。。バカらしくなってきたのさ。

ま、法人持ちなんだけどね。

まぁさん

本棚一台!www
医師免許と比べてもそんなに差があるの~!!?

その本棚に並んでる専門書の一冊でも
僕に理解できるものはあるんだろうか。。。

うーん、凡人からの視点だとそれだけ苦労したのに
やっぱり辞めちゃうのはもったいない気がするなあ。

ま、維持するためのお金もかなりもったいない感じですが。

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