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2011.01.18

認知症とリフレクソロジー 2

認知症患者へのリフレクソロジーでは多くの利点があり、当然のことながら一般の方と同じような効果も期待できます。

 ・心身のバランスを整える
 ・自己免疫力を高める
 ・自然治癒力を高める

これ以外にも、認知症患者では寝たきりであったり、徘徊のため一日中ダラダラと歩きまわっていて、浮腫になる頻度が高くなります。
浮腫になると足がダルく歩きづらくなるので転倒から骨折などを引き起こしQOLが著しく低下してしまいますが、リフレクソロジー施術によって浮腫の改善に向かわせることが期待できます。

また心地よい刺激が精神の安定を促し、暴力的な行動や発言の抑制につながることあり、何にも反応を示さない、何も受け入れられないという方においても、リフレクソロジーの刺激で心を開く場合があります。

脳には損傷した部位を他の神経経路を利用して失った機能を補おうとする力があるようです。
科学的な根拠はありませんが、リフレクソロジーの反射区への刺激で脳が活性化し、認知機能が一時的に改善することもあるかもしれません。

認知症患者へおこなうリフレクソロジー施術は、症状の差やその他の様々な要因により、一概にこういった方法がベストであると言うことを判断するのは難しいでしょう。

初回は弱めの圧で時間も短めでおこなうということが原則です。

カウンセリングだけで正しい情報が得られるとは限りませんので、クライアントをよく注意して観察し、思い込みだけで施術することは避けなければいけません。

 
 ◆カウンセリング

認知症の特徴として記憶障害やせん妄などの症状が見られる場合がありますが、当然これは初回のカウンセリングで判断することはできません。

コンサルテーションで病歴や既往症、投薬、生活習慣などの情報を得てから施術にはいりますが、認知症患者の場合では、本人の記憶に残っていない、また他の疾患があった場合であっても自分はいたって健康であると主張される場合があります。

また、施術回数を重ねるにつれ、言うことが食い違ってきたりなども予想されますので混乱しないよう注意すべきです。

後から発覚したことで、重度の糖尿病でインスリン投与されていた場合や、心臓疾患、血栓症などの疾患をお持ちだった場合もあります。

施設であれば職員によく病歴や現在治療している疾患の確認をし、自宅の場合であればご家族に確認をとるようにしましょう。
正しい情報確認ができればよいのですが、老々介護のような状態になってる場合であると、介護者も高齢者であることから的確な回答が得られるとは限りません。
リフレクソロジスト自身がクライアントの表情や口調、行動、足の観察を入念におこなったうえで判断し、さらに慎重になる必要があるでしょう。

場合によっては施術を中止することもクライアントの安全を守り、またプロのリフレクソロジストとして必要な措置です。

 ◆足の観察

●皮膚表面
足の観察で注意すべき点は、皮膚の色や質感、触れたときの皮膚表面の温度がどうか、できるならば脈なども確認してみたほうがいいでしょう。

重度の認知症患者などで寝たきりとなっている場合、下肢の血行不良と水分量の不足で肌は乾燥しており、脚・足先への栄養が届きにくくなり皮膚が薄くなります。目視したとき少し肌表面が光って見えるのは、皮膚が薄いために内部の体液に光が反射するからだと言われています。
部屋を明るくして足の観察をおこなうようにしましょう。
皮膚が薄いということは脆く傷つきやすくなっているということであり、また皮膚表面の乾燥は感染に対しての抵抗力も低下しているので、触れるときには傷つけないよう細心の注意が必要です。

●浮腫
寝たきりの場合、浮腫も多くの場合で確認されます。
強い圧での施術は皮膚や筋組織へのダメージを与えるだけでなく、滞っている下肢の水分を無理矢理に戻すことにもなり、心臓や腎臓に負担をかける怖れがあるのでこちらも注意が必要です。
さらに浮腫や足先の温度に左右差がないかも確認しましょう。
深部静脈血栓であれば重大な事態を引き起こすかもしれません。

●拘縮
寝たきりや長い間体を動かさないでいると筋肉や皮膚など関節周囲の軟部組織が伸縮性を失って固くなり、その結果関節の動きが悪くなる「拘縮」が起こります。
拘縮の有無の確認をし、無理に可動域を広げることは絶対にしてはいけません。
関節を伸ばしても痛みの反応を示さない場合もあるので、クライアントの反応だけでなく、抵抗を感じる手前で止めましょう。

●爪
巻き爪の方も多くおられます。
足の爪は指先に体重がかかることで表面が平坦になるよう保たれています。
当然寝たきりになると足に体重がかかることがありませんから、通常は爪が巻いてきます。
爪の横端の角が指の肉に食い込む陥入爪が併発されている場合には圧すると痛みを生じることがあります。
また食い込んだ爪で傷が出来ている場合には感染による炎症の可能性もあるので、よく観察し、また痛みの有無の反応を注意する必要があります。

●タコ
高齢者の足裏のタコは褥瘡に進行する場合があります。
もし糖尿病を併発されている場合、神経障害によってタコは潰瘍になる前段階であり、そのままにしておくと潰瘍~壊疽と重大な事態に発展することがあるので、強く触れないように注意が必要です。

●床ずれ(褥瘡)
仰向けで寝ている場合、踵の後ろ側に足の重みがかかっています。
皮膚が脆くなっているので褥瘡が出来ている可能性もあります。
見にくい部位ですが、そっと足を持ち上げて目で異常がないか確認するようにしましょう。

他にも静脈瘤や白癬など高齢者特有の症状もありますが、足の観察で気付いた点については施設職員や介護者に報告をし、リフレクソロジーがおこなえる状態かをまずは施術の前に確認しましょう。
場合によっては施術方法の変更や手への施術に切り替える、または施術そのものを中止する必要があります。

 ◆施術

施術についてはケースバイケースであり、健常者と同じようにフルリフレクソロジーがおこなえる場合もあれば、エフルラージュ~ゾーンウォーク程度にとどめておく場合など様々です。

カウンセリングと足の観察をしっかりとおこない、トリートメントのプログラムを計画することが大切です。

そして一番大切なことはやはり「寄り添う気持ち」なのでしょう。

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コメント

この週末に「自律神経免疫療法」の勉強会に東京まで行きました。
お医者様か鍼灸師の方を基本対象としていたため、当初断られそうになりましたが、担当の先生が「学びたい人ならOK」っと言ってくださり、無事受講しました。
そこでもやはり出たのは「身体の冷え」です。頭部のうっ血をなくし、身体を温かくすることが病気を予防することに大いに関係しているようでした。
また説明聞きに来てくださいね。

>Kidoさん

東京まで行ってこられたんですね!
以前、安保先生の著書を読みましたが、素晴らしいことがいっぱい書いてあり大変参考になりました。
やはり冷えなど血流を妨げることは、身体にとっていろんな弊害が出ますよね。
また機会があればお話聞かせてください。

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