むずむず足症候群
先日立ち寄った本屋にて。
リフレクソロジー専用に棚が設けられています。
嬉しいですね♪
所属する団体の書籍も珍しく並んでいました。
でも本当の「リフレクソロジー専門書」ってのは、残念ながら数冊ってところですかね…
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「むずむず足症候群」という病気があります。。。
まさにこの名前の通り、足がむずむずする症状があります。
ただのむずむずではなく、尋常ではないむずむず感。
「むずむずする」
「虫が這っている」
「ピクピクする」
「ほてる」
「いたい」
「かゆい」
など、さまざまな言葉で表現されます。
この苦しさは
「脚の中に手を突っ込んでかき回したいぐらい苦しい」
と表現する患者もいて、この症状の辛さを表している。
昼間の活動時はそれほど症状は感じないけれど、就寝前やじっとしている安静時に足のむずむずが強くなり、この病気にかかった多くの人が不眠症に悩まされています。
ハッキリとした原因は解明されていませんが、この症状は足に問題があって起こるのではなく、神経伝達機能に問題があるのではないかとされています。
原因として
「神経伝達物質のドーパミンの機能低下」
「中枢神経の鉄分不足による代謝異常」
などが挙げられています。
また他の疾患が原因となっている場合もあり、
「慢性腎不全」(特に透析中)
「痛風」
「糖尿病」
「心不全」
「甲状腺機能低下症」
「鉄欠乏性貧血」
「妊娠」
「パーキンソン病」
「関節リウマチ」
「心不全」
「結核、肝炎、肺炎などの感染症」
「抗うつ薬や抗精神病薬を服用している場合」
などがある。
ドーパミンの不足が原因の一つであるということから、パーキンソン病治療薬で、症状が少し和らぐ場合があります。
そして、眠れないからと睡眠薬を服用すると余計に症状が悪化してしまうことがあるようです。
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先日、このむずむず足症候群の方がお店においでになったのですが、施術を開始するとむずむずが余計に強くなってしまったようで、15分もしないうちに施術中止となりました。
誠に残念ですが、どうしても我慢できないらしく仕方がない。
クライアントさんはいろんなお店に行かれたようですが、どこへ行っても同じように途中で止められるとのこと。。。
リフレクソロジーは足マッサージではなく、足を身体全体ととらえ、反射区の刺激によって心身の不均衡を戻す力を高めます。
自分自身の治ろう(戻そう)とする治癒力が強まるので、体が感じている様々な症状も一時的に強く感じる場合があります。
・痛み
・痒み
・痺れ
・腫れ
・鼻水
・咳
などの症状が一時的に強まり、余計に悪化したのではないかと思われがちですが、これは体が治ろうとしている過程での一過性の症状で「好転反応」というもの。
リフレクソロジーで症状が本当に悪化することはありません。
施術中にこういった症状が出る場合もあれば、施術後すぐ、または2~3日してからなど、好転反応の発現は個人差があります。
来店されたむずむず足症候群のクライアントの場合、施術を開始してからすぐに症状が強まってしまったようです。
耐え難いくらいのむずむず感のようで、両足ともに筋肉が緊張し、じっとしていることができないくらいでした。
施術は頭部の脳・下垂体。視床下部などの反射区から開始していきますので、脳への影響が早く出やすくなり、またクライアントが高齢者ではなく壮年期であったために好転反応も早い段階で現れたのかもしれません。
おそらくこういった類いの疾患の場合、どちらかというとリフレクソロジーにとって得意分野ではないかと思います。
パーキンソンの方の施術では安静時振戦が緩和されたりなど、少しではありますが症状の緩和が確認されています。
もう少し続けてみれば、症状の緩和につながったかもしれないのですが、本当に残念です。
クライアントさんはずっと不眠状態が続いているようで、仕事での会議などがあると耐え難い眠気を感じるとのこと。
また車の運転も控えておられるようで、奥様に職場への送り迎えをお願いされているなど本当に困っておいででした。
施術前のカウンセリングではお聞きしていなくて、施術の後でこのむずむず足症候群のことを話されたので、好転反応であることの可能性を施術中にお伝えできなかったのも残念です。
なによりも、目の前で困っておられる方の手助けが出来ず中途半端に終わってしまったことが、本当に残念でなりません。
なんとか症状が少しでも緩和され、グッスリと眠れるようになることを祈っています。
今回はフルトリートメントをおこなうことはできませんでしたが、また思い返してリフレクソロジーにチャレンジしてくださることを願っています。
むずむず足症候群という疾患についての認識はありましたが、今回施術をおこなったのは初めてのことでした。
いままで施術を途中で中断せねばならないような病態に出会ったことがなかったのでショックでしたが、これもまた一つの経験となりました。
まだまだ世間一般の認知度が低いこの病。
米国では1200万人、日本国内でも顕在・潜在患者を含めると約500万人近く存在するとも推測されているらしく、まだまだこれから増える可能性はあり、リフレクソロジー施術の依頼もあるかもしれません。
今後は、施術の順序を入れ替えたり、VRTを組み入れるなどの方法でのトリートメント計画を立て、施術が途中で中断されることがないよう努めていきたいですね。
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コメント
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自分も過去2例、敗北しています。
1例はL-DOPA増量中に来院しなくなった。
もう1例はL-DOPA無効でデパケン開始した所で来なくなった。
患者の気質的にも、治療の継続が難しい病気ですね。
ショッピングを繰り返すより、最低3ヶ月くらいは、
1箇所に腰を据えて治療してみると良いのですが。。。
投稿: まぁ | 2011.07.29 13時05分
>まぁさん
敗北…そう、まさに敗北ですね。
圧を強くしてみたり、ふくらがぎを擦ったりしても、
クライアントに「やっぱだめだわ。」
と言われたときに、まさに敗北感を感じました。
そうなんですよねぇ。
やはり1回ではなかなか解らないと思うんですが…
ま、この疾患に限らず気性があるんでしょうね。
ちなみにクライアントは現役のDr.です。
投稿: ソウル | 2011.07.30 13時47分
DOAの救急患者を救えなかった時は
原因はあちら側にあるので敗北感は無いけど
外来で他に行かれちゃうと
こちら側に見切りを付けられた感じで
妙な敗北感があったね(過去形)
まーーーどの分野にだって限界はあるさ〜
投稿: まぁ | 2011.08.12 14時43分
>まぁさん
敗北ではないと思うんだけど(思いたいけど)
「敗北感」ってのはどうしても感じますよね。
見切りをつけた患者側に責任があるんだけど…
ま、なんでも100%ってのは無理ですからね。
野球選手みたいに打率3割で満足はできないけど、
7~8割ぐらいは確実にリピートしてほしいものです。
投稿: ソウル | 2011.08.12 19時33分