映画・テレビ

2015.04.07

ティク・ナット・ハン

NHK「こころの時代」でベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン師の生涯について特集があります。
第一回は先日4/5(日)に放送され、シリーズ第二回目は4/12(日)朝5時~6時に放送予定です。

マインドフルネスの第一人者でもあるティク・ナット・ハン師は、ノーベル賞候補にも推薦されたベトナムの高僧で、チベット仏教のダライラマ法王と並ぶ仏教の偉大な指導者です。師の教えは多くの企業や団体から支持され、アメリカ連邦議会や世界銀行、Googleなどでの講演をおこなってこられました。

ベトナム戦争の悲惨な経験から暴力は暴力で解決することはない、怒りに対し同じように怒りに身を任せるのではなく、怒り・悲しみ・嘆きなど自分の中にある負の心を見つめて、それを抱きとめるようにして心を鎮め、敵に対しても慈悲の心を持つように説いておられます。
あるがままの自分を受け入れると、自分と他人、その他の全てに慈しみの心を持つことができる。
インタービーイング(相互共存)というものがいかに大切であるかを提唱し、人が幸福に生きる道を示しておられます。

「ティク・ナット・ハン マインドフルネスの教え」

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2012.09.20

ルーツ・オブ・レジェンド

今日は午前中の大阪出張の後、昼から仕事をサボって映画に。
上映時間は昼~と夕方~のみで、しかも近畿では一つの映画館でしか上映されていないので仕方なく。。。

「大阪ステーションシネマ」という新しい映画館にも行ってみたかったので、まぁたまにはいいか。

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そして一人で映画を観に行くのはこれが初めて。

ルーツ・オブ・レジェンド

「レゲエ」「ボブ・マーリー」という言葉は知っている人は多いと思いますが、その本当のことはあまり知られていません。

カリブの小さな国で生まれたちょっとユーモラスな音楽が全世界にこれだけ広がったのも、ボブ・マーリーが存在したからでしょう。

ジャマイカ独立50周年を記念して製作されたこの映画は、ボブ・マーリーがいかに大きな存在であったかがわかります。

彼は一人のミュージシャンと呼ぶにはその精神はあまりにも崇高であり、スラム街から一躍有名になり大金持ちになってからも、平和を愛し慈愛に満ちたその行動は尊敬されるべきものでしょう。

英国から独立したばかりで東西冷戦の最前線のように混乱していたジャマイカという国家も、彼がいなければまた違った道を歩んでいたかもしれません。

36歳で亡くなった彼は30年以上経ったいまでも世界中に多くの影響を与え続けているまさに「レジェンド」と呼ぶにふさわしい存在です。

20代後半に彼のことを深く知った僕も彼に強い影響を受け、いまだにマザー・テレサやマハトマ・ガンジーなどと並んでリスペクトする自分のなかの「聖人」の一人です。

レゲエと聞くと、大音量のやかましい音楽、それにドレッドヘアーなどの奇抜なファッションや、マリファナを吸うなど世間一般からはマイナスなイメージで見られがちですが、本当は崇高な精神を持った「ラスタファリズム」というライフスタイルを持った人々の聖歌であり、ボブはその伝道師であったのでしょう。

ラスタは宗教ではないので経典などはありませんが、その考えの多くは聖書からきており、文明からできるだけ離れ、口にする食物や生活習慣などを厳格に守り、自然に沿った生活をしています。
洗わない切らない髪(ドレッドヘアー)やハーブ(マリファナ)を吸うこともラスタファリアンたちの習慣の一つで教義を守っているだけのこと。

電気もないジャマイカの山あいの村で生まれた彼は、首都キングストンのスラム街で青年期を過ごし、そしてラスタと出会いラスタの精神を広く知ってもらうことが自分が神から与えられた使命であると信じ、多くのレゲエ音楽を作って世界中の人々の心に訴えかけ注目を浴びて一躍有名人となります。

しかし多くの富を得た後も彼は驕ることなく、貧しい人への施しやラスタの精神を忘れることなく、自然を愛し平和を愛する心を失うことはありませんでした。

平和な世界、理想を目指して音楽で説く彼に賛同する人は多くいましたが、その反面で政治家たちからはそのあまりに大きい影響力を疎まれ、自宅で銃撃された揚句に祖国から亡命するなど激動の人生を歩みます。

でもその精神は確実に世界中に根付いているのでないかと思います。

映像で彼のパフォーマンス、彼の話す言葉は神が彼を遣って人々に訴えかけているのではないかと思えるほどのパワーやオーラに満ち溢れています。

レゲエやボブ・マーリーのことを知りたい、人生に悩んでいるというような人も、ぜひ彼に出会ってほしいと思います。

ONE LOVE

ONE HEART

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2011.07.04

長生きしたい?

NHKスペシャル
『あなたの寿命は延ばせる~発見!長寿遺伝子~』

萩本欽一さんのナビゲーターで放送された番組。

人の体には、長寿につながるサーチュイン遺伝子というものが細胞のなかに備わっているのだが、普段は眠っている状態であり、これを活性化させることで、ミトコンドリアのはたらきを活発化させ、免疫細胞の変質による体への攻撃を防ぎ、老化の原因を抑えるという。

このサーチュイン遺伝子は、30%程度のカロリー制限をおこなうことによって眠っていたものが目覚めて体にとってよい働きをしてくれる。
シミやシワ、白髪などの老化現象の他、、血管壁が厚くなって引き起こされる動脈硬化のリスクを抑えたり、認知症など脳機能の低下、細胞のガン化や糖尿病に関係するインスリン分泌を促進させるという。

2006年にアメリカで酵母から発見されたこの遺伝子は、全ての生物のなかに存在し、寿命を延ばすという共通のはたらきを持っている。
これは生物が生き伸びるために必要不可欠な遺伝子であり、20億年前の単細胞生物が進化していく過程で、過酷な飢餓状態の環境を生き伸びるために突然変異で誕生したと言われている。

しかしサーチュイン遺伝子をはたらかせるには、常時カロリー制限が必要となり、飢餓状態を持続しなければならない。
生きている限り美味しいもの(高カロリー食品)を控え続ける人生を送らなければならないということ。

そこで考え出されたのがレスベラトロールという薬。

面倒なカロリー制限をおこなわずに、サーチュイン遺伝子をはたらかせ、病気や老化のリスクを軽減させて長寿を手に入れられないかと研究開発された薬品。
赤ワインなどに多く含まれるポリフェノールの一種で、日本でもいろんな会社から健康食品としてたくさん販売されてるようです。
その謳い文句として、
寿命延長、抗炎症、抗癌、認知症予防、血糖降下、放射線による障害の抑止、などなど…

確かにすごい発見だとは思いますが、そんなに長寿が大事?

ワシントン大学のルイジ・フォンタナ教授は
人間の寿命を平均120歳まで延ばすことが可能だという。

人類が皆そんなに長生きするようになったら、地球はいったいどうなっちゃうんでしょう?
それでなくとも人口が増え続けてるのに、考えるだけでおぞましい気がする。

思い浮かぶだけでいろんな問題が起こることが予想されます。
薬を変えるお金持ちばかりが長寿となってしまったり、いくら元気なお年寄りといったって、若者ほどの労働力が得られるわけでなく、若年層にその負担がのしかかってきます。
世界的には食糧問題なども深刻になってくるでしょう。

おそらくこの番組の放映後にNHKに問い合わせが殺到したと思われ、僕が見た再放送の番組の最後にお知らせとして、

  ◆レスベラトロールの錠剤について

 ・サプリメント(栄養補助食品)ですので
  効果は保証されていません。

 ・医薬品としてはまだ研究段階で、
  実用化までには時間がかかります。

という説明文が補足されていました。

実際、市販されているサプリメントと動物実験で効果を得られたものとでは、1000倍近い摂取量の差があり、その効果はあまり期待できないようです。

大昔から王侯貴族たちが不老不死の薬を手に入れようと必死になっていましたが、人間の欲というものには本当に際限がありませんね。

確かに健康で長生きってのはいいことだと思いますが、それを薬を使ってまで大幅に寿命を延ばすことは不自然であり、それによって自然界のバランスが崩れることが懸念されます。
また、薬による副作用は確認されていないらしいですが、それもどうだか…

震災~津波、そして原発問題を経験したことで、科学技術に対する信頼が揺らいでいる現在、人はもっと賢く、そして謙虚になるべきではないでしょうか。

2010.11.09

桜田門外

久しぶりに劇場で映画を観てきました。

いろいろ迷いましたが、
あえて「桜田門外ノ変」に決定!

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授業でも習った有名な歴史上の出来事ですが、
そこに至るまでの経緯や志士たちの葛藤などを、
深く掘り下げてありなかなか見ごたえがあった。

いまから150年前、

西欧列国の武力を盾とした強硬な外交を受けた日本。
外国から日本を護らんとした名もなき若者たちが、
独裁的な権力をふるい外国との貿易条約を締結した、
当時の政府高官をわずかな人数で襲撃して殺害。
それがきっかけとなり多くの若者たちが奮起して、
8年後の明治維新という大改革の礎となった。

いま現在、

中国との尖閣諸島問題にロシアとの北方領土問題、
中途半端な対応で日本は馬鹿にされ続けており、
アメリカとは基地移転問題が解決しておらず、
何ひとつシャキッとしない中途半端な政治が続き、
国民は鬱屈した感情がいまにも爆発しそう。

映画の終わりに国会議事堂がアップで映りますが、
ふがいない今の日本の政治の現状とラップさせ、
この映画ではメッセージとして伝えているよう。

日本の歴史を動かす原動力となった幕末の志士たち、
あらためて彼らの偉大な功績を讃えたいと思います。

現代の日本人も誇りや国を憂う気持ちを忘れず、
闘う気構えを持たなきゃちゃいかんですよね!

そして主役の水戸藩士を演じた「大沢たかお」
「ミッドナイト・イーグル」や「JIN-仁」もよかったけど、
さらに、めちゃめちゃ格好いいです!

彼は僕と1コしか違わんのよな~…
えらい違いです(苦笑)

2010.03.22

命は誰のもの

昨日のNHKスペシャル
命をめぐる対話 “暗闇の世界で生きられますか”

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の病状が進行し、
完全な「閉じ込め状態」となってしまう患者を
作家の柳田邦夫氏が取材をおこなったドキュメンタリー

脳は正常機能を保ち、音を聴いて理解もでき、
眼球やわずかに動く頬の筋肉を関知するセンサーで
PCを介し、かろうじてまわりとコミュニケーションをとっていた。

しかし体の全ての筋肉がやがて動かなくなってしまい、
意識明瞭でありながら下の世界と断絶されてしまう、
TLS(Totally Locked-in States)という状態に陥ってしまう。

夜中に寝ているとき、顔面を這っていたムカデに頬を噛まれ
激痛が走ったが、払いのけることも助けを呼ぶこともできず、
自分ではまったくどうすることもできない。。。

照川さんは、呼吸器と胃ろうによる栄養補給で、
いますぐ死に至るということことはない。
しかし、これで本当に生きていると言えるのだろうか。
本人は「生きていることが辛い」と自らの死を望んでいる。

柳田氏は
「命は自分だけのものではなく、照川さんが生きていることで
 まわり家族が支えとなっている側面もある」と訴えるが、
果たして本当にそうなのだろうか。

「生きてさえいてくれれば」という家族の思いは確かにあるだろう。
しかし、あまりにも本人が置かれている暗闇は深く、
そして過酷すぎるのではないだろうか。
いつ果てるともしれぬ暗黒の世界から解放されることを
本人が望むことは誰も咎められないのではなかろうか。

人口呼吸器や栄養補給による延命措置で、
普通ならば命を落とすべき状態であっても生き続けることができる。
いや、無理やり生かされてると言ったほうがいいかもしれない。

「生きていることが辛い」
自らは闇から解き放たれ安らかな死を望んでいるが、
家族の為に生き続けなければならないのか。
いったい命は誰のものなのか?

医療技術の発達により、救われる命が増えたことは確かだが、
しかし、人間の魂までもが救われているのかは疑問です。

科学技術の発達の影で、このような歪みが生じていること。
これから本当の生きる意味とは何かを考えていくべきなのでしょう。

◆関連


『潜水服は蝶の夢を見る』

『海を飛ぶ夢』

2010.03.09

肥満は悪くない?

先日のNHKの番組『追跡!AtoZ』の特集で
近年、肥満体型ではないのに生活習慣病になる人が多く、
その原因が「異所性脂肪」が関係していると伝えていた。

「異所性脂肪」?

皮下脂肪や内臓脂肪などはよく耳にしますが、
この異所性脂肪は「第3の脂肪」と呼ばれているもので、
肝臓や心臓、骨格筋など脳以外のあらゆる場所、
本来脂肪が蓄積されるべきでない箇所に蓄積されて、
組織を破壊するなどの悪影響を与えるらしい。

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2010.02.20

体内時計

今週放送された「プロフェショナル仕事の流儀」

『 若きプリンス、生命の謎に挑む 』  
      「 生命科学者 上田泰己 」

体内時計って耳にしたことはありましたが、
これを専門的に研究されてる方がおられたんですね。
しかも日本を代表する研究機関の理化学研究所で!

で、生命科学者って何?

どうも遺伝子など生命の基となることを研究してる人らしい。
この上田氏が研究しているテーマが「体内時計」

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昼間活動し、夜眠る人間のリズムは
脳の中心部にある器官で刻まれている。
その体内時計の動きに狂いが生じると様々な問題が起こる。

たとえば、朝になっても体がまだ夜の状態だと
登校拒否症の一因となり、痴呆患者の夜間徘徊はその逆だ。
うつ病もリズム障害が原因の1つとなる。

体内には24時間のリズムを刻む時計遺伝子があり、
1日における様々な生体活動を時間に合わせて管理している。

理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターで
上田氏がチームリーダーとなっておこなっているこの研究は
いま世界中から注目を集めている。

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2009.11.24

やがておとずれる選択

昨日のNHKスペシャルから
『がん 生と死の謎に挑む』

ジャーナリストの立花隆氏の自身の膀胱がんの経験から、
「がんとは一体何なのか」という疑問を解明すべく、
徹底的に向き合い深く掘り下げていくドキュメンタリー。

日本人の死亡原因の第一位であり、毎年増え続けるがん。

立花氏の友人であった物理学者の戸塚洋二氏は
大腸がんの再発との闘い、そして抗がん剤副作用など
さんざん苦しみぬいた上に昨年この世を去った。

また盟友の筑紫哲也氏をもがんで亡くしたことで、
 「人類はなぜがんという病を克服できないのか?」
という疑問を持ち、がん患者である自らが取材を開始した。。。

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2009.07.04

それでも恋する~

『それでも恋するバルセロナ』という映画を観ました。

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なぜにこの映画?

いやいや出演してる女優さんたちに惹かれただけ。。。

テーマソング?の
ホニャララホニャララ♪ バルセロ~ナ~♪ ホニャララホニャララ♪
というなんとも拍子の狂ったスペイン風?ミュージックがなんとも(笑)
まぁこの音楽がこの映画を表現しているといった感じでしょうか。
  ↓ここで流れています。
『公式サイト』

ストーリーもちょっと日本では考えられないような、
1人の男と3人の女のフリーセックス・・・といった感じ。。。
でもバルセロナの眩い太陽のせいか、あまりいやらしくないんですよね。

バルセロナ在住の画家で女たらしのアントニオ
 (ハビエル・バルデム)

アメリカからきた旅行者の二人の女性、
自由気ままな写真家の卵、自分探しをしているクリスティーナ
 (スカーレット・ヨハンソン)

真面目な大学院生で婚約者との結婚が決まっているヴィッキー
 (レベッカ・ホール)

アントニオの前妻でプッツン女(←死語?)のマリア・エレーナ
 (ペネロペ・クルス)

この4人が繰り広げる非日常的な恋愛を描いた映画です。
いちいち出演者の心の動きについて解説が入ったりと、
ちょっと昔の映画っぽいノスタルジックな感じもある意味いいかも。

この映画の見どころといえば、
・美しい女優さんたち♪
 言うまでもなく美女たちの競演ですよね。
・バルセロナの美しい街並み
 サグラダファミリアやグエル公園といったガウディの建造物など
 街全体がまるごと美術館といった風景。
・スパニッシュギター
 これはなかなか素晴らしく思わず聴きいってしまった。
 どこかに生演奏を聴きにいきたくなります。
そしてアカデミーの助演女優賞に輝いた、
・ペネロペ・クルスの演技!
 さすがはスペインの宝石、格好よすぎです!

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忙しい日常に追われ、心身ともにお疲れな方、
ここのところ恋愛を休んでいるという方、
ノーテンキで少し甘いこの映画でぜひ癒されてください♪

たまにはこういう力の抜けたゆる~い作品もいいもんですよ。

そして映画を観終わるとスペインに逃避したくなるかも!w

2009.04.25

潜水服は蝶の夢を見る

ある男性の自伝を映画化し、各映画賞で多くの受賞をした映画
『潜水服は蝶の夢を見る』

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パリのファッション誌「ELLE」の編集長だったジャン=ドー、42歳。
華やかな世界に生きる彼は、成功者としての人生を謳歌し、超一流の服、食事と酒、旅、女。。。など、いわゆる「ちょいワルオヤジ」的な男。野心家で皮肉屋、失敗を知らない人生を送ってきたが、初めて救いようにない人生の苦悩を知る。

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ある日、手元に届いたばかりの新車のジャガーで、パリ郊外に住む子供たちの元へ遊びに行き、長男を助手席に乗せて芝居を観にいく途中で、脳卒中となり彼の人生は急転直下する。

脳幹を侵され全身麻痺となった彼は、左目の瞳と瞼の筋肉しか動かなくなり、左目の視覚と聴覚以外のすべての感覚がマヒしてしまう。
しかし全身の感覚はなくとも、思考や記憶など脳の認知機能は全く異常がない状態の、『ロックト・イン・シンドローム』(閉じ込め症候群)に陥ってしまった。

肉体という檻に閉じこめられた彼は絶望の淵に突き落とされて。。。

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